安価な鉄骨柱脚開発 琉美産業など


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新開発の沖縄柱脚について説明する琉美産業の具志堅由紀子社長(左から4人目)とグリスアウトシステム沖縄の松尾宏樹社長(左)=25日、県庁

 土産品販売の琉美産業(那覇市、具志堅由紀子社長)は、建築物の鉄骨柱の土台となる柱脚で、従来品より3割以上安い「沖縄柱脚」を新たに鉄鋼業者と共同開発、4月から販売を始める。

従来品は多くがメーカー独自で基準強度を設け施工業者も限定されていたが、新製品はどの施工業者でも扱える基準を国内で初めて取得した。初年度の売り上げ目標は3億円。次年度からは県内企業開発品として県外にも発信していく。
 琉美産業の新規事業。県内施工が可能になることで雇用増にもつながるという。具志堅社長は「品質も良く安くて雇用にも貢献できる商品」とアピールした。
 開発した「沖縄柱脚」は、部材をつなぐねじや鉄骨部分と溶接するベースプレートという鉄板も大臣認定を取得し、ねじと鉄板をセットにした基準図で強度を明記した。部材は全て神戸製鋼所製。施工マニュアルも提供し、地元業者でも施工できる。
 琉美産業などによると、従来の柱脚セットは、多くがメーカー側が独自に大臣認定を取得し、指定の施工業者が設置する方式。沖縄では県外業者か特定業者しか施工できない。部材切り出しの歩留まりも悪い。個別部材の基準強度がなく、設計士が個別に計算するため過剰強度にもなり、余分に建築資材や施工量がかかりコスト高となっていた。
 沖縄で開発した経緯について、共同開発した排水管理業のグリスアウトシステム沖縄(南城市)の松尾宏樹社長は「沖縄は鉄筋造が多いが、近年は鉄骨造も増加してきている。市場規模からしてモデルケースとして沖縄で基盤をつくっていきたい」と話した。
 問い合わせは琉美産業(電話)098(855)4551。