若手軸に5月再演 「聞得大君誕生」 坂東、嘉数が共同演出


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再演の会見に臨んだ坂東玉三郎(前列中央)ら=12日、浦添市の国立劇場おきなわ

 新作組踊「聞得大君(ちふぃじん)誕生」(大城立裕作)が5月22~25日、国立劇場おきなわで再演される。主演する歌舞伎女形の坂東玉三郎らが2月12日、同劇場で会見し、抱負を語った。

今回は坂東と同劇場の嘉数道彦芸術監督が共同演出する。振り付けに阿嘉修と新垣悟、音楽に花城英樹と中堅・若手を起用。新体制でどう磨き上げるか注目される。
 6月には松竹の京都四條南座で1週間上演する。尚真王(玉城盛義)の妹音智殿茂金(うとぅちとぅぬむいがに)(坂東)が、士族の伊敷里之子(川満香多)との恋に揺れながら、聞得大君になるまでを描く。
 会見で、坂東は「去年より少しでも滑らかな演技を心掛ける」と抱負を述べた。嘉数は「玉三郎の大きな視点、感覚を受けて、それを組踊でどう表現するか。『組踊とは何か』を掘り下げつつ新たな作品を展開したい」と語った。
 大城は「初演では24回手を入れた。玉三郎の芸術家としての執念あってのことだ」と振り返り、「新たな書き足しもあるので期待してほしい。最高傑作と自負している」と強調した。
 沖縄公演の入場券は抽選で販売する。3月1~14日に受け付ける。問い合わせは国立劇場おきなわ(電話)098(871)3350。