60年ぶりに七福神 渡嘉敷流 先師にささげる


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 渡嘉敷流あけぼの乃会(花岡勝子会主)は16日、浦添市の国立劇場おきなわで「追善公演 先師に捧げる感謝の舞」を開催した。渡嘉敷守良初代家元と、勝子が師事した守章二代目家元、玉城須美雄、新垣文子の創作を中心に、同流独特の踊りを披露した。

沖縄では1952年以来踊られていない守良の創作「七福神」を、勝子が新たな選曲と振り付けで復活させた。
 「七福神」は「弥勒節」などの9曲構成。七福神が一人ずつ踊り、宝舟へ乗り込んだ。花岡貴子らが踊った「江戸上り口説」(玉城振り付け)は、古典二才踊の「上り口説」と異なり、琉球から江戸までの道中を描いた。衣装も「上り口説」の紋服ではなく、ハチマチをかぶった親雲上姿となっている。「旅千鳥」(新垣文子振り付け、新垣盛松作曲)は、祖慶しのぶと比嘉なつきが、つがいの鳥をかわいらしく演じた。
 定番の踊りも随所に渡嘉敷流の特徴が見られ、花岡尚子と棚原由里子が踊った「加那ヨー天川」は、男役の尚子が入羽で「アヒラーアッチ(アヒルのような歩き方)」を見せた。勝子による「諸屯」は、月見手の時に「柳腰」という技法で女性の柔らかな曲線美を表現した。尚子の「花風」は、傘を置いてからんころんと転がす所作などが美しかった。

新たな振り付けと選曲で復活させた「七福神」=16日、浦添市の国立劇場おきなわ
「諸屯」を踊る花岡勝子会主