北玉小100周年 戦前の校歌よみがえる


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祝賀会で戦前に使われていた校歌を歌う卒業生=23日、北玉小学校

 【北谷】創立100周年を迎えた北谷町立北玉小学校で23日、記念式典が開かれた。式典後の祝賀会では、これまで3回変わった校歌をその時代の在校生らが斉唱した。中でも戦前に同校に通っていた80~90代の卒業生は、現在の学校に残されていなかった当時の校歌を歌い上げた。

沖縄戦で卒業式を迎えることができなかった世代もおり、激動の時代をかみしめつつ100年の節目を祝った。
 北玉小は北玉尋常小学校として1913年に設立された。沖縄戦で校舎が壊滅し、終戦後は米軍の占領もあったため追いやられるように47年に山あいの開墾地に移され開校し、現在に至る。
 100年間で4回制定された校歌のうち、戦前の二つは音源が残っておらず、これまで、歌うすべがなかったという。しかし、当時の在校生への聞き取りで「あんやたん、かんやたん(ああだった、こうだった)」と次々と思い出され、メロディーに乗せた校歌がよみがえった。
 祝賀会で戦前の校歌を歌った金城カメさん(94)は「忘れることなくしっかり覚えていた」と語った。38年に入学し、沖縄戦のために卒業式を迎えられなかったという座喜味文子さん(83)も「とても感動した」と振り返った。
 100周年記念事業期成会の辺土名朝一会長は「大きな節目をしっかり祝えた。これを今後の発展につなげていきたい」とさらなる飛躍を誓った。