八重山農林高、平真小にアコウ贈る 児童笑顔「また遊ぶ」


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新しいアコウの木を植樹する八重山農林高校の生徒と平真小学校の児童=2月25日、石垣市平得の平真小学校

 【石垣】県立八重山農林高校は2月25日、シンボルツリーのアコウの木が枯れて困っていた石垣市立平真小学校に、新しいアコウの木を寄贈した。校内唯一のアコウが枯れ、意気消沈していた児童らは「またアコウの木で遊べる」と笑顔を取り戻した。

 平真小学校のアコウは推定で樹齢100年だった。校舎が1947年に現在の場所に移転して以来、同校児童を見守っていた木だ。児童は木登りや虫捕りでアコウに親しんでいた。
 同校の児童は「あこうっ子」と呼ばれるほどアコウとなじみが深い。同校マスコットは「あーくん、こーちゃん」で、アコウがモデル。75年から続く文集も「あこう文集」だ。
 アコウは2、3年前から新しい葉が出なくなり、児童らはアコウの周囲に「頑張れ」「早く生き返って」とメッセージを書いた看板を立て、再生を願っていた。同校はEM菌を土壌にまくなど再生を試みたが、効果が表れず、昨年はわずかに新芽が出たものの台風で全て飛ばされた。ついには枯れたという診断が下され、切り倒された。
 八重山農林高校が寄贈したアコウは、同校実習棟の改築に伴い校内に移転する予定だった木。同校教諭が平真小学校のアコウが枯れたという話を聞き、寄贈を提案したという。植樹式に参加した平真小学校6年の大城菜奈さん(12)は「入学した時からアコウの木で遊んでいた。みんなから愛されていた。新しいアコウの木を大切にしたい」と話した。