福祉の道へ前進 足に障がいの川満君「支援する側に」


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たくさんの人たちに祝福され、笑顔で花道を通る川満健矢君=1日、那覇市鏡原町の小禄高校

 県立高校全60校で1日、卒業式が開かれた。2013年度の卒業生は全日制1万3379人、定時制167人、通信制144人の計1万3690人。小禄高校(仲田洋一校長)では398人が卒業した。脳性まひのため足が動かしにくい障がいのある川満健矢君(18)も同校を巣立った。4月からは沖縄国際大学総合文化学部に進み福祉を学ぶ。川満君は「経験を生かし、障がいのある人などの道しるべになりたい」と話した。

 1歳9カ月の時、脳性まひと診断された川満君。しかし、障がいに負けない前向きさを持ち、中学ではテニス、高校1年生の時は車いすツインバスケットや車いすラグビーに打ち込んだ。
 だが、高校2年の夏ごろから足腰の痛みが強まり、日常でも車いすの生活を強いられた。スポーツからは遠ざかり、学校も欠席が増えた。「何で自分だけ」。やり場のない悔しさを家族にぶつけたこともあった。母の和江さん(55)は「親子ともにつらい日々が続いた」と当時を振り返る。
 だが、階段の移動でおぶってくれた学校の友人や、介護福祉士として働く傍ら、通学の送迎をしてくれる母を見て、前向きさを取り戻した。「助けられてばかりいる。今度は自分が支援する側になりたい」と福祉の道に進むことを決意した。
 大学では、当事者の視点から福祉を学んでいくつもりだ。「自分に引け目を感じてしまう、支援される側の気持ちも分かる。それを福祉に反映させていきたい」と力強く答える川満君。自分の力で新たな一歩を踏み出そうとしている。(内間安希)