聖マタイ幼稚園事故から40年 犠牲者らに祈りささげる


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事故の犠牲者らに祈りをささげる鬼本照男さん(右端)ら出席者=2日、豊見城市豊見城の聖公会小禄聖マタイ教会

 1974年の那覇市小禄(当時)の聖マタイ幼稚園近くの不発弾爆発事故から2日で40年を迎えた。豊見城市の聖公会小禄聖マタイ教会では同日、日曜礼拝の後に信者ら15人が犠牲者や遺族に向けて祈りをささげた。

 不発弾は水道工事中に爆発。土砂に埋まるなどして3歳の女児を含む4人が死亡、34人がけがをした。
 聖マタイ幼稚園副園長の高良孝太郎司祭が「亡くなられた方々の魂が神さまのもとで安らかでありますように。遺族の方にもあなたの癒やしが豊かにありますように」と厳かに祈りの言葉を述べた。
 事故当時の園長だった鬼本照男さん(85)=豊見城市=は「このような事故は二度とあってはならない。不発弾を探査して除去することが大切だ。40年の節目を機に、事故の記憶を風化させないようにしたい」と話した。
 当時事故現場から1キロほどの団地に住んでいた女性(61)=豊見城市=は、爆発音と共に大きな地響きを感じた。「子々孫々の代に繰り返されないようにと祈った」と話した。
 89年に豊見城市豊見城に移った聖マタイ幼稚園はことし、創立50年を迎える。園の敷地内に事故を悼む祈念碑を設置する計画だ。
【琉球新報電子版】