懐かしく新鮮な喜劇 「トートーメー」7年ぶり復活上演


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トートーメーを追うユタ(右)とシゲ(中央)、光子=2月18日、ちゃたんニライセンター

 沖縄俳優協会は2月18日、北谷町のちゃたんニライセンターで新喜劇「走れ!トートーメー」(島正廣作、吉田妙子演出)と、喜歌劇「豊年」(親泊興照作、吉田指導)を上演した。「走れ-」を作った島は精力的に新作に取り組んだが、2009年に亡くなった。島が演じていたユタ役を高宮城実人が務め、7年ぶりに復活させた。

 酒造会社の社長・山城金造(新垣正弘)は、愛人のアケミ(安次嶺正美)に「息子に拝ませたい」とトートーメーを持ち出される。紛失に気付いた正妻のシゲ(中村志津子)と嫁の光子(東由希恵)は、ユタ(高宮城)を呼んで追跡する。
 90年代の匂いがする音楽や、トートーメーを追い掛ける場面で背景が動く演出が、懐かしくもあり新鮮でもある。怪しいユタは高宮城のはまり役だ。新垣は安定感があり、安次嶺は生き生きと演じた。古典的作品だけでなく、「走れ-」のような過去の新作も再演し、磨き上げてほしい。
 今回、俳優協会の後継者育成講座の参加者も起用された。「泉&やよい」の城間やよいもその一人で「豊年」に出演した。

※注:高宮城実人氏の「高」は旧字体