被災地に心寄せて フォーラムで支援継続の大切さ確認


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沖縄から被災地支援の在り方をあらためて考えた「フォーラム3・11 被災地と共に」=6日夜、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 2011年3月11日の東日本大震災から3年を迎えるのを前に、沖縄から被災地支援の在り方をあらためて考える「フォーラム3・11 被災地と共に」(主催・琉球新報社、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄)が6日夜、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。

震災で大きな被害を受けた宮城、岩手、福島県に住む被災者からの報告や聴衆を交えた議論を通じ、震災の記憶を風化させずに被災地に思いを寄せ、一人一人ができる支援を継続していく重要性を確認し合った。
 登壇したのは安倍志摩子氏(震災語り部・宮城県)、尾形妙子氏(仙石病院看護部長・宮城県)、谷藤典男氏(岩手日報社編集局次長兼読者センター長・岩手県)、名嘉幸照氏(東北エンタープライズ会長・福島県)の4人。
 安倍氏は「あんな津波が来るとは思いもしなかった」と語り、避難しなかったため建物ごと津波に流された壮絶な体験を報告。過ちを繰り返さぬよう「自分のことのように感じてほしい」と訴えた。
 尾形氏は震災で夫、次女、長男、愛犬を失った。「避けられない現実、そして不条理感。毎日が何もない」と苦しい胸中を吐露。「いまだ前に進めず声を出せない人がいる。被災地にぜひ思いをはせてほしい」と語り、心の回復に向けた支援の必要性を強調した。
 谷藤氏は岩手日報が始めた犠牲者の人となりを紹介する連載「忘れない」を紹介。「生きた証しを伝え、命が犠牲になった重みも伝えている」と力を込めた。
 東京電力福島第1原発の保守点検に携わってきた名嘉氏は国策に翻弄(ほんろう)されている福島の住民の苦しみを報告。「ぜひ沖縄のチムグクルの気持ちを被災地に下さい」と支援を求めた。
 会場では支援団体による無農薬野菜や手作り菓子などを販売するバザーも開かれた。