震災の教訓 防災に 県内避難者、体験語る


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東日本大震災を体験した大橋文之さん(左端)の話に真剣な表情で聞き入る参加者たち=8日、那覇市の名代蕎麦処美濃作

 東日本大震災で県内に避難した東北人を支援する「NPO東北人集まっぺ」(宗像希未子代表)が8日、那覇市内で「東日本大震災を想う会」を開催した。

原発の影響で福島県から沖縄に避難した2人が、3年前の震災体験を克明に語った。参加者は、体験者の経験を今後の防災に生かそうと話に聞き入った。
 震災体験を語ったのは福島県出身の大橋文之さん(55)と桜井野亜さん(41)の2人。
 大橋さんは震災当時、東京電力福島第1原発で防水工事をしていた。経験したことのない強い揺れに「この世の終わり」と感じたという。震災の教訓として「災害時の避難場所を家族で決めておくことが大事だ」と伝えた。
 桜井さんは、原発事故による放射能から子供を守ろうと必死の思いで沖縄に避難したことを語った。「沖縄に来てやっと放射能への不安が解けて寝ることができた。子供が自然と触れ合う姿を見てうれしくて涙が出た」と当時を振り返り、声を詰まらせた。