「大ヒット盤」加藤ミリヤ『LOVELAND』


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上質な歌声が一貫する14曲

 オリジナル7thアルバム。感情の機微に触れられるよう、本作では音量を上げて聞くのがオススメ。
 全14曲、久保田利伸が作曲とコーラスで参加したファンキーな曲や、DAISHI DANCEが手がけたエレクトロ全開の曲、さらに穏やかなバラードのタイトル曲など様々なタイプがあるが、通して聞いてもあまりにスムーズで驚く。

それは、上質な歌声で一貫しているからだろう。特に、随所に施された低音と高音のボーカルダビングが、言葉の二面性を暗示するようだ。
 また、大半の楽曲で“君と私”だけが歌われていて近視眼的な恋歌と誤解されそうだが、彼女の場合はその熱さとともに脆さも伝わってくる。どの曲も身につまされるが、特に「君が笑ってくれるなら/裸で街走るから」と歌う『冷静と情熱のあいだ』に秘めた愛と狂気に身震いした。
 全体のストイックな音づくりからアスリートを想起した。本作から、人と真剣に向き合うことの大切さやその道を極める覚悟を学ぶはず。
 (ソニー・ミュージックレコーズ・3000円+税)=つのはず誠
(共同通信)

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つのはず誠のプロフィル
 つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。

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