地位協定の改定要求 日本弁護士連合会が初意見書


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 日本弁護士連合会(山岸憲司会長)は12日、東京の日弁連会館で会見を開き、環境規定の新設や容疑者の起訴前身柄引き渡しなどを求めた「日米地位協定に関する意見書」を発表した。意見書の中では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立て工事に対して「許されない」と反対を表明している。日弁連が地位協定改定について意見書を発表するのは初めて。

 意見書では(1)施設・区域の提供と返還(2)日本法令の適用など(3)環境保全(4)船舶、航空機の移動などの規制(5)航空交通(6)刑事責任(7)民事責任―について改正を求めている。
 環境保全の規定を新設するように求め、基地内で汚染が発生した場合は米軍が原状回復義務を負うよう定めるべきだとしている。普天間飛行場の辺野古移設について、生物多様性に富む辺野古大浦湾の埋め立ては「神への冒涜(ぼうとく)以外の何ものでもなく、許されない」と厳しく指摘している。
 刑事事件については、日本側が起訴前でも米軍人、軍属容疑者の身柄を拘束できるようにすべきだとした。また公務中という証拠が十分でない時は原則として公務外として取り扱うよう求めている。
 民事責任では軍人の公務外の犯罪などについて、日本政府が被害者に損害額全額を払うべきだとした。
 日弁連人権擁護委員会の基地問題に関する調査研究特別部会会員で、地位協定に詳しい新垣勉弁護士は「法律の専門家の一番大きな団体が、地位協定について意見を明らかにする意義はとても大きい。日米間の交渉にも大きな影響を与えるだろう」と話した。
英文へ→Japan’s largest legal experts group releases statement about revising SOFA