文科省が竹富町に是正要求 八重山教科書問題


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 【東京】八重山教科書問題をめぐり、下村博文文科相は14日午前の閣議後記者会見で、竹富町教育委員会に対し、地方自治法に基づく是正要求を出したことを明らかにした。国が市町村に直接是正要求するのは初めて。新年度が始まる4月から同町教委に保守色の強い育鵬社の中学公民教科書を使用させるのが狙い。同町委に是正要求を行わなかった県教育委員会に対しても「重大な事務の怠慢だ」として同日付で指導文書を発出した。

 教科書無償措置法は採択地区内で同一の教科書採択を定めており、下村氏は「法治国家として違法状態を解消するのは当然だ」と述べた。
 文科省は、2011年8月に八重山地区採択協議会が選定した育鵬社の中学公民教科書を採択せず、別の教科書を使用している竹富町教委を指導。13年10月には県教委に対し、竹富町教委に是正要求を行うよう指示していたが、県教委は竹富町のみを指導の対象にしていることなどを疑問視し、結論を先送りしてきた。【琉球新報電子版】