【豊見城】豊見城市(宜保晴毅市長)が独自でまとめた「豊見城城址跡地利用構想」を基に基本計画を審議してきた豊見城城址文化観光資源活用検討委員会(委員長・大城保沖国大学長)は12日、市に同計画について答申した。
豊見城グスクをはじめ、県が整備する空手道会館(仮称)、工芸の杜(同)が立地することから、「グスク・空手・工芸・緑がおりなす交流・体験の場」を全体コンセプトに、三重の城壁、城門の復元、ガイダンス施設の整備、民間事業誘致による高級ホテルの整備、緑の回廊保全などを提案。ツアープログラム開発、イベント開催で年間利用200万人を目指す。市は2014年度から調査に着手し、10年以内の整備完了を目指す。
有識者や地権者などの委員による同委員会は、昨年7月からこの日まで5回にわたって同計画案について検討してきた。
キャッチフレーズは「沖縄・伝統文化の杜~琉球のグスク・空手・工芸の総本山」に決めた。全体を6ゾーンに分け、静けさとにぎわいエリアをすみ分けし、活用の側面と聖地としての雰囲気の醸成を図る。グスク整備は、発掘調査や現状確認などを経て進める。
管理運営は、グスクブランド確立を目指し、連絡会議を組織し、管理者同士によるコンソーシアム組織などを提案。地域挙げての支援体制としてファンクラブなど市民を中心としたネットワークの構築も提言した。
大城委員長は「計画を基に整備し、運営については計画全体をマネジメントできる体制づくりを検討し、文化遺産の十分な調査と適切な保全管理をしていただきたい」と要望した。答申を受けて宜保市長は「環境保全と管理をしっかりやりながら、城址の跡地利用に取り組みたい」と話した。