「ふれデイ」目標達成 16年で拡大、112ヵ所


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 高齢者の生きがいづくり、健康づくりを目的に那覇市が進める「地域ふれあいデイサービス」(ふれデイ)が好評だ。1998年5月に第1号が「真地団地ゆんたく塾」で始まって以来、約16年間で112カ所まで広がり、6千人余が利用している。

那覇市社協が運営し、地域で月2、3回開催する「ふれデイ」は、孤立しがちな高齢者の顔なじみを増やし、新たなコミュニティーづくりに期待もかかる。市は目標に掲げた111カ所を達成したことで、新たに5年間で50カ所の開設を目指し、調整を進めている。
 那覇市が市社協に委託運営している「ふれデイ」は、自治会館や公民館、小学校の地域連携室などを活用して各地域で開催し、地域の高齢者の参加を促している。基本的にレク指導員と看護師の2人が約2時間のサービスを担う。市社協には三線が上手な職員もおり、民謡で歌ったり、踊ったり、ゲームで楽しんだりする。看護師は健康チェックや健康講座、個人助言指導などをしている。
 市社協ではレク指導員17人と看護師24人がふれデイを担当している。
 より多くの地域でのサービスを目指し、市は当初80カ所の開設を目指していた。07年2月に目標を達成すると、14年度中に市内全37小学校区3カ所ずつを目安とする111カ所への拡大を進めた。ことし2月には目標を超える112カ所目を開所した。市は集会所がありながらふれデイが開設できていない自治会35カ所などへの設置を目指し、目標数を162カ所に設定した。
 111番目の開所となった小禄「サンシャインクラブ」の屋富祖仲全会長(80)は「介護はなるべく先送りにして仲間と楽しみたい。なまからやんどー(今からだ)」と意気込んだ。112番目となった金城で集まる「かな金会」の上原ナギ会長(67)は「肉体が健康になれば精神も健康になる。頑張りたい」と話した。
 市の新里博一福祉部長は「介護予防や高齢者同士で活動が広がる点など非常に効果のある事業だ。もっと高齢者同士が誘い合い、自然と集まるようになってほしい」と意義を強調した。

目標達成となった111番目の地域ふれあいデイサービス、サンシャインクラブの開所式=2月4日、那覇市の小禄支所
112番目の地域ふれあいデイサービス、かな金会の開所式=2月7日、那覇市の金城会館2階ホール