辺野古に警戒船100隻 沖縄防衛局、サンゴ調査書明記


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 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設工事に向け、11月末までに実施するサンゴ類の分布・保全策に関する調査業務の仕様書の中で、「現地作業で見込む警戒船数は100隻」と記していることが25日、分かった。

市民の情報公開請求で明らかになったもので、市民団体などは「移設反対の抗議活動に対する対策ではないか」と指摘している。警戒船の目的などについて沖縄防衛局は「26日以降に回答する」と説明した。
 「警戒船」の記述があるのは、防衛局が業者向けに作成した「シュワブ(H25)水域生物等調査検討」の特記仕様書。サンゴ類に関し、辺野古周辺海域での潜水観察や水質調査に伴う注意事項を記している。仕様書は沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏の公開請求に対し、開示した。
 移設工事による天然記念物ジュゴンへの影響を避けるために構築する「監視・警戒システム」業務の特記仕様書には「現地作業で見込む警戒船数は50隻」と記述している。サンゴ、ジュゴン調査の警戒船数に関しては、どちらも「数量に変更が生じた場合は後日精算するものとする」と記した。
 辺野古海域の埋め立てに向けた陸上部の測量・地質調査と、埋め立ての基本設計や実施設計の履行期限が、いずれも11月30日に設定している。
 北上田氏は「通常は地質調査後にその結果を踏まえて実施設計をするはずだが、なぜ同時並行なのか。(埋め立て承認に際して県が求めた)留意事項で県との協議が定められている実施設計を、仲井真弘多知事の在任中に済ませたいからではないか」と推測した。
 辺野古移設に対する市民らの抗議行動への対応については、島尻安伊子参院議員が2月の国会質問で警察や海上保安庁の積極的対応の必要性を強調。古屋圭司国家公安委員長は「違法行為が行われたのであれば、ちゅうちょすることなく、厳正に対処するよう県警にもしっかり指示したい」などと答弁している。
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