「政権交代後、強く指導」 文科局長が政治介入示唆


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 【東京】文科省の前川喜平初等中等教育局長は25日、八重山教科書問題で文部科学省が竹富町教育委員会に出した是正要求について、「文科省においては政権交代の後、より強い指導を行うようになったというのは事実だ」と、安倍政権の強い意向が働いていることを強調した。

同省の事務方が教育行政への政治介入があったことを示唆する発言をするのは初めて。県選出・出身の野党国会議員でつくる「うりずんの会」による是正要求に対する抗議と撤回を求める要請で明らかにした。
 前川局長は、八重山採択地区協議会で採択を一本化しないまま教科書を使用していることについて、「これまでの経緯は非常に不幸な経緯となっている」と指摘した。
 政府が八重山教科書問題を機に開会中の国会に提出している教科書無償措置法改正案では、採択地区の設定単位を「市郡」から「市町村」へ改めることも盛り込まれた。これに対して、前川局長は「八重山は地理的にみても、社会・経済的関係からみても、3自治体が一体ではないかと考えている」と分割方針を否定する従来の文科省の見解を示しつつも、「具体的に判断する権限を持っているのは沖縄県の教育委員会だ」と採択地区の設定権限は県教育委員会にあるとした。

町決定は「遺憾」/下村文科相
 【東京】教科書問題で、国の是正要求に竹富町が従わないことを決めたことに、下村博文文部科学相は25日の会見で「地方自治法で是正要求を受けた市町村は是正する義務を負っている。これに反する決定は大変遺憾。法治国家として従ってもらいたい」と非難した。