激戦の記憶伝え 那覇市大道森遺跡碑が完成


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激戦地だった記録を記した大道森(ハーフムーンヒル)戦争遺跡碑=26日、那覇市の真嘉比南公園内

 沖縄戦の激戦地だった那覇市真嘉比の大道森(ハーフムーンヒル)の戦争遺跡碑がこのほど、現地に完成した。石碑は周辺の遺骨収集作業も踏まえ、弾痕の残る石壁や発射痕のある薬きょう、水筒なども石碑の中に収められて展示されている。

那覇市の翁長雄志市長は26日、会見を開き「沖縄戦の悲惨な歴史を忘れず、後世に記憶を残していくものだ。記憶の継承と平和を考える機会になってほしい」と述べた。
 石碑は一括交付金を活用し、真嘉比南公園内の丘に建てられた。沖縄戦当時、米軍は石碑の周辺が半月に見えたので通称「ハーフムーンヒル」と呼び、攻撃目標とした。土地の区画整理事業に伴い、2008年に遺骨収集作業を実施し、日本兵と思われる遺骨や遺品が見つかった。翁長市長は「那覇の中心地でも沖縄戦の痕跡がまだ残っている。戦争の爪痕は大きい」と語った。