センバツ 沖縄尚学が8強入り 白鴎大足利に8―1


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沖尚―白鴎大足利 6回沖尚1死一、三塁、上原康汰の犠牲フライで生還し、勝ち越しの本塁を踏む西平大樹(右)=28日、兵庫県西宮市の甲子園球場(金良孝矢撮影)

 【甲子園取材班】第86回選抜高校野球大会第7日は28日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦があり、沖縄尚学が白鴎大足利(栃木)を8―1で退け、優勝した2008年以来のベスト8進出を決めた。

 沖尚は12安打8得点と打線が爆発した。1点を先制された直後の一回裏に5番上原康汰の適時打で同点に追い付くと、六回に1死一、三塁から再び上原の犠飛で勝ち越しに成功した。七回は2番久保柊人の2点二塁打と3番西平大樹の適時三塁打で3点を挙げ、八回にも4安打3得点で突き放した。
 先発山城大智は8安打を許し、三回を除く毎回走者を背負ったが1失点で粘り抜いた。
 沖尚は4強を懸けて30日の第2試合(午前11時開始予定)で、初出場の豊川(愛知)と対戦する。

◆牙むいた沖尚打線/後半一気 7得点
 好機と見れば打線が牙をむき、エースは崩れない。「やはり沖尚は強い」。優勝候補が、周囲の期待を確信に変えつつある。初戦は1得点の打線が12安打8得点の猛攻でエースを援護射撃。「少ない好機をものにするのが本来の野球。合格点を与えたい」。比嘉公也監督もたたえる出来だった。
 一回に同点に追い付いた後は、難しい球に手を出して三者凡退を繰り返し、二~五回でフライは8個を数えた。「真ん中だけを狙って、低い打球でつなごう」。五回終了後のグラウンド整備中に落ち着いて、攻略法を再確認した。
 そして六回、三番西平大樹と四番安里健の連打で1死一、三塁の好機を築くと、続く上原康汰が初球を捉える犠飛で勝ち越しに成功。火が付いた打線は七、八回にも、3長打を含む計7安打と甘い球を容赦なく振り抜いた。3安打の西平は「粘り強く投げている大智のために点を取ってやりたかった」と胸を張った。
 練習から「1球で仕留める」打撃を意識し、集中力を磨く。3季連続甲子園出場に明治神宮大会優勝と豊富な経験も、勝負強さの土台になっている。「大事な場面で打つのが4番の仕事」と安里が言えば上原も「一打席一打席役割を果たしたい」と言う。インタビューに応じる立ち居振る舞いも堂に入ってきたナインが、3度目の頂点へまた一歩近づいた。(大城周子)
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