竹富、東京書籍を配布 中学公民教科書「法的瑕疵ない」


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東京書籍版の公民教科書を生徒に配布する竹富町立西表中学校=7日、竹富町西表

 【竹富】竹富町の各中学校は7日、始業式を開き、町教育委員会(大田綾子委員長)が採択した東京書籍版の公民教科書を生徒に配布した。町立西表中学校では3年の生徒6人が、公民のほか国語や数学など真新しい教科書を手に笑みをこぼし、早速名前を書き込んだ。

町教委に対し、文部科学省は3月に地方自治法に基づく是正要求を出したが、慶田盛安三教育長は「現場ではこれまでも問題は起こっていない」と、各校での指導に期待した。
 町教委は同一採択地区の石垣市、与那国町と同じ育鵬社の教科書ではなく、東京書籍の公民教科書を採択した。文科省は3月14日、八重山採択地区協議会が選定した保守色の強い育鵬社の中学公民教科書を拒否して別の教科書を使用している町教委に対し、地方自治法に基づく是正要求を出した。
 2014年度は町内9校、3年生46人が使用することになっており、各教員も東京書籍の公民で指導の準備をしている。
 是正要求について、慶田盛教育長は「2年間(同じ状況で)使ってきた。法的に瑕疵(かし)があるとは思っていない。要求に従っていては、かえって混乱する」と文科省の対応に首をかしげた。
 町教委は是正要求に従わないことを確認した上で、国地方係争処理委員会に不服を申し立てるかどうか検討している。期限前日の10日に最終の会合を開き、方針を決める予定だ。
 一方、慶田盛教育長は教科書無償措置法改正案に採択地区の設定単位を市町村に柔軟化することが盛り込まれたことを踏まえ、「市町村単位が可能なら、その方がいい。県と連携し対応を検討したい」と述べた。