日本一短い商店街 八軒通り、横断幕でPR


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 平和通りの牧志公設市場の横にある那覇市牧志の八軒通り商店街で2日、同商店街をアピールするために通りの名前を書いた横断幕の除幕式が行われた。24歩で歩ける全長17・8メートルの同通りは日本一短い商店街といわれている。店主らは横断幕を通りの顔として位置付け、多くの買い物客を呼び寄せて商店街の活性化につなげる考えだ。

 八軒通り商店街は戦後、安くておいしい八軒の食堂が営業し、にぎわっていた。「八軒通り」の愛称で地域の人に親しまれていたが、約3年前からシャッターを下ろす店が目立つようになった。しかし2カ月前から雑貨などを取り扱う店が相次いで開業し、現在は11店舗が営業している。
 商店街周辺を盛り上げていこうとしていた矢先の今年3月、平和通りで存在感を示していた100円ショップが撤退した。商店街の店主らは危機感を募らせ、雑貨を取り扱う浜田与吉さん(39)が新しい目印をつくろうと横断幕の制作を思いついた。
 浜田さんは「横断幕で何かアピールできないかと調べていたら通りの長さが日本一短いことに気が付いた」と話す。商店街の店主らと相談し、通りの入り口と出口に「日本一短い商店街。わずか歩いて24歩のストリート」のキャッチフレーズを掲げた横断幕を設置した。
 浜田さんと一緒に横断幕を作製した工芸店の石原昌一郎さん(36)は「お年寄りの方から『通りの名前が懐かしい』という声を聞くようになった。通りの名前を残せたことが一番良かった」と笑顔で話す。
 偶然同通りを訪れたフランス出身のロマノ・カンチェラーラさん(26)は「お店の人がとても元気なのでびっくりした。フランスにはこれほど元気な通りはない」と驚いていた。
 商店街で約50年前から琉球舞踊の用品を取り扱う新垣悦子さん(80)は「シャッター通りになると思っていたが、若い人のおかげでここまで盛り上がるようになってきた。昔のような活気が戻るといいな」と昔の八軒通り商店街の写真を見ながら笑顔で語った。
 同商店街では現在、世界中の商店街・アーケード街の長さを調べており、八軒通り商店街が世界一短い商店街だと判明したら、将来的にはギネスブックへの申請を目指している。

横断幕設置を喜ぶ八軒通り商店街の店主と買い物客ら=2日、那覇市牧志の八軒通り商店街