「半閉鎖循環」開発へ ヤイトハタの陸上養殖技術


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ヤイトハタ養殖の新方式

 県と県栽培漁業センター(本部町)は、ヤイトハタ(方言名アーラミーバイ)の陸上養殖で、コスト削減につながる新システム「半閉鎖循環式」の技術開発を進めている。従来の水槽内の海水を全て入れ替える「掛け流し式」に比べ、「半閉鎖循環式」は初期費用が抑制できるほか、くみ上げる海水が少なくて済み、光熱水費が約30分の1に低減できる。

現在伊平屋漁協でも試験的に実施しており、技術改良後に実用化を目指す。
 魚の排せつ物や残りかすを除去する浄化システムの研究を、県栽培漁業センターが進める。
 「掛け流し式」は、海からくみ上げるための電気代がかさむ。そこで水槽に浄化処理機能を付け、海水の使用量を従来の約30分の1と大幅に削減する計画。
 「半閉鎖循環式」では、新鮮な海水からの酸素補給や魚に有害なアンモニアを除去するため、一部排水作業も実施する。
 県水産課の仲村博幸主任技師は「システムの浄化処理の部分で改善点があり、生産コストの削減と同時に取り組んでいく。研究成果をフィードバックし、さらにいい養殖条件を解明していきたい」と展望した。