【竹富】同一採択地区内で公民教科書が統一されていない八重山教科書問題をめぐり、文部科学省から是正要求が出されていた竹富町教育委員会(大田綾子委員長)は11日午前、国地方係争処理委員会に不服申し立てしないことを決めた。是正要求には応じないことをあらためて確認した。記者会見で説明した。
また、単独で採択できるよう八重山採択地区協議会から離脱する方針を決め、今後県教育委員会と協議する意向を明らかにした。会見後、県教委に方針を報告した。
町教委4委員は文科省の是正要求について不当との認識で一致するものの、不服を申し立てた場合、係争処理委員会による審査には証拠など膨大な資料を用意する必要があるため、小規模の町教委で対応するには限界があると判断した。町教委の主張が評価される資料を実際に収集できるか見通しが立たず、申し立てるのは困難と結論付けた。
一方、採択地区協議会からの離脱方針は、9日成立した改正教科書無償措置法で採択地区の単位が「市郡」から「市町村」に改められ、町単独で採択できる可能性が出てきたため決定した。大田委員長は「採択地区の問題が解決されれば、(是正要求への対応は)消えるという期待がある」と説明した。
慶田盛安三教育長は、採択地区の変更について「県教委に権限がある。県教委と連携し単独採択を推し進めたい」と話した。