10日に鹿児島県奄美群島の加計呂麻島で、草刈り作業中の男性がハブにかまれて約3時間半後に死亡した。県内でも八重山地域の一部や沖縄本島にハブやサキシマハブなど計4種のハブ類が生息している。かまれないようにするには、どうするか。かまれた時にはどう対処すればいいのか。県衛生環境研究所でハブ担当の寺田考紀主任研究員に聞いた。
―沖縄で、ハブ類にかまれて死亡した事例はあるか。
「1964~99年の間に54人が死亡している。近年、死亡事例はないが、ハブ類にかまれる被害件数はここ10年、60~100件台で推移している。決して、ハブにかまれる被害がなくなったわけではない」
―気を付けるべき場所や時期はあるか。
「畑や家の中、庭などでの被害が件数の8割を占める。自然が多い場所に、ハブ類は多い。ただ、那覇市など開発が進んだ地域でも近くに緑地があれば生息していると考えた方がいい」
「被害発生時期のピークは5~6月と9~11月の2回。ハブが活動を活発化させるのと、人が畑に入るのが重なる時期に被害件数が増える」
―どんな対策を取ればいいか。
「畑仕事の時は長靴を履いたり、長袖を着たりとなるべく肌を露出させない。草の中にいると見つけにくいので、草刈りの際は、地面に手を近づかせずに済む、草刈り機を使ってほしい。鎌を使う場合、面倒でも、長い棒などでハブ類がいないか確認してほしい」
「家の敷地内では不要なプランターを捨てたり、雑草を刈ったりするなどして、ハブ類が潜みそうな場所を減らすようにする。抜け殻を見つけたりするなど家の近くにハブがいるかもしれない場合、多くの市町村で、捕獲用のわなを借りることができる」
―かまれた場合、どうしたらいいか。
「毒の回りが早まるので、走るのはよくない。医師に診てもらうため、救急車を呼ぶか、近くの人に助けを求め、車で病院に連れて行ってもらう必要がある。ハブ毒によるショック症状で意識を失うことがあるので、自分で運転するのは避けてほしい」
(聞き手・当銘寿夫)
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