辺野古漁港使用を申請 国、名護市に6項目要求


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沖縄防衛局が求めた6項目

 沖縄防衛局が、米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古の埋め立て工事に向け、海底ボーリング調査に伴う岩礁破砕に必要な名護市長の意見書提出や、資材置き場に使うための辺野古漁港の使用許可などの6項目を名護市に申請したことが14日、沖縄防衛局への取材で分かった。申請は11日付で、防衛局は5月12日までの回答を求めている。

 政府は仲井真弘多知事が昨年末に辺野古移設に向けた埋め立てを承認したことを受け、移設手続きを加速させており、申請は代替基地の早期着工に向けた作業の一環だ。
 稲嶺進名護市長は14日、「事前に調整がなく、強引なやり方だ」と防衛局の対応を批判した。稲嶺氏は市長権限を使って移設を阻止する方針を掲げており、埋め立てを前提とする協議や手続きに応じないとみられる。
 沖縄防衛局が市に申請したのは、ボーリング調査に対する意見書の提出、漁港の使用許可のほか(1)辺野古漁港区域での環境調査に必要な協議(2)移設先付近にある辺野古ダム周辺での環境調査に必要な協議(3)移設先付近を流れる川の水路の切り替えや土砂運搬用ベルトコンベヤーの設置に必要な協議―。このほか市教育委員会に工事予定区域、キャンプ・シュワブ内の埋蔵文化財の有無を照会した。
 防衛局は名護市が辺野古移設に関する手続きに応じないことを見越し、事前協議をせずに申請書を提出した。
 文化財に関する意見照会は市長権限の範囲が及ばないため「5月12日までに回答がなかった場合、そのまま処理する」という趣旨の文言を明記するなど、異例の措置を取った。
 申請について防衛局は14日、「移設事業を一日も早く進めるため、手続きも円滑かつ速やかに行う」と述べ、移設作業を推進する考えを示した。
英文へ→Ministry of Defense requests permission from Nago City to use Henoko fishing port for reclamation work for new base