「原告適格」焦点に 辺野古訴訟、きょう初弁論


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 仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て申請を承認したことの取り消しを求める訴訟の第1回口頭弁論が、16日午後1時半から那覇地裁で開かれる。原告側は「公有水面埋立法の要件を満たしていない違法な承認だ」として承認の取り消しと承認の効力の一時執行停止を求める。県側は、原告には訴訟を起こす資格(原告適格)がないなどとして却下を求める見通しだ。

 現在、原告には辺野古・久志住民や周辺海域の漁業者、エコツーリズム事業者など「埋め立てやその後の代替施設建設によって生活環境に被害を受ける人」をはじめ、675人の県民が加わっている。原告側は、埋め立てが漁業に甚大な被害を与えると予測されることなど、環境保全への十分な配慮を求めた公有水面埋立法の要件を満たしていないと主張する。また、普天間飛行場に駐留する米海兵隊は、外征専門の部隊で日本防衛を任務としていないことなどを理由に「沖縄に代替施設を設置する必然性は全くなく、埋め立ての必要性はない」と指摘。工事が始まれば、破壊された自然環境は回復できなくなるとして、執行停止の申し立ても同時にしている。
 県側は、原告の主張する取り消しによる利益を「個別の利益として法的に保護対象とされていない」などとして、原告適格がないと主張する見込み。また承認について「行政機関の間でしか法的な効果を生じない内部的な行為にすぎない」と、行政処分に当たらず訴訟の対象とはならないと主張するとみられる。