竹富町、教科書単独採択へ 県教委「地元の意向尊重」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県教育委員会(宮城奈々委員長)は16日、八重山教科書問題に関連し、竹富町教育委員会を現行の八重山教科書採択地区から分離させ、単独採択地区とする方針を固めた。16日の4月定例会終了後、宮城委員長が「県教委は『(共同採択地区から)離脱したい』という竹富町教委の意見を尊重する立場。分離の方向で検討していくことになると思う」と話した。

 竹富町のほかにも県内で複数町村教委会が採択地区の変更を希望しているため、県教委は5月21日の教育委員会で全県的な教科書採択地区の再編を決定する。竹富町教委が単独採択地区となることで、八重山教科書採択地区協議会内で同一の教科書を採択できていない現状は解消される見通し。
 竹富町教委の慶田盛安三教育長は17日、文科省で前川喜平初等中等教育局長と面談し、国の是正要求を受け入れないことや単独採択地区を希望する方針を説明する。竹富町教委の採択地区分離について、下村博文文科相は「八重山地区は共通の自然的、経済的、文化的なエリアということで共同採択が行われてきた。そのまま存続されることが望ましい」など分離に否定的な見解を示している。
 16日の県教育委定例会では、竹富町の離脱意向について「竹富町の意向を尊重しなければならない」(富川盛武委員)、「全県調査をした上で、(採択地区設定権をもつ)県教委の権限でしっかりと検討したい」(泉川良範委員)などと肯定的な意見が相次いだ。