上質素材楽しんで 久米島紬、ニットに


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
草木で染めた久米島紬の糸をニットに織り込んだ試作品のセーターを紹介する久米島紬事業協同組合の照屋七奈さん=15日、久米島町の久米島紬の里ユイマール館

 【久米島】久米島紬事業協同組合は、若者に久米島紬(つむぎ)の魅力を知ってもらおうと新ブランドを立ち上げ、商品開発に取り組んでいる。現在、草木で染めたつむぎ糸をニットに編み込んだ洋服を試作中。

今年夏までに完成させ、商品化を目指している。取り組んでいるのは組合員の照屋七奈さん(33)。照屋さんは「上質な素材を多くの人に楽しんでほしい」と話している。
 新ブランド名は「Je file(ジュ・フィル)」。フランス語で、「私はつむぐ」という意味。新ブランドを立ち上げ、若者向けの商品開発に取り組む照屋さんは、これまでにも、久米島紬を使って、若者向けデザインのカジュアルウエアやかりゆしウエアを開発した。
 今回、新たな試みとして、久米島紬の糸そのものの可能性に着目し、ニットにつむぎ糸を織り込む商品に挑戦している。
 サトウキビや月桃、琉球藍、ユウナなどの草木で染めた優しい色合いのつむぎ糸をニットに編み込み、セーターやボレロ、ストールなどの試作品を作った。今後さらに改良を進め、今年夏の完成を目指す。
 照屋さんは「草木染め100%の上質な糸の素材感を多くの人に楽しんでもらいたい。久米島紬の魅力に触れる最初の一歩になればうれしい」と思いを語った。
 問い合わせは久米島紬の里ユイマール館(電話)098(985)8333。(赤嶺玲子)