辺野古で海上行動、集会 座り込み闘争10年


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 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する人々が継続してきた辺野古での座り込み闘争が19日で10年を迎えた。集会と海上パレードが辺野古の浜と海で行われ、参加者は連帯して基地移設を阻止する決意を新たにした。漁船とカヌーによる海上パレードでは、埋め立てが計画されている沖合まで航行し、自然豊かな辺野古の海を守る意思を示した。

 常に前線に立ってきたヘリ基地反対協議会共同代表の安次富浩さん(67)は集会前、参加者を前に、この10年の間に他界した仲間をしのんだ。「金城祐治さん、大西照雄さん、当山栄さん、久坊こと島袋利久さん。多くのお年寄り。彼らの思いを闘いに生かしていく。私たちは負けない」
 辺野古の海を守りたいという思いを胸に、参加者全員で海に手を合わせた午前10時半ごろ、海上パレードが始まった。浜で集会が始まると「新基地建設反対」のシュプレヒコールが海と浜から響いた。島袋妙子さん(86)=辺野古区=は「この海のおかげで生活できた。こんなきれいな場所は大事な宝として子や孫に残したい」と沖を見詰めた。
 海上パレードは先頭の船が「沖縄を返せ」「イマジン」の曲を流しながら進む。数隻は埋め立て予定地の海域へ向かった。太陽に照らされた海は透明度を増し、船上から海底のサンゴや海草がはっきりと見える。宜野湾市野嵩から参加した赤嶺和伸さん(60)は「この海は自分たちの世代が一時的に預かっているだけ。子や孫に受け継がないと」と海の美しさをかみしめた。
 集会では、平和団体代表などによる「沖縄の歴史と誇りを懸けた闘いの力強さを証明し、辺野古での基地建設を止めよう」のあいさつに、結集した約450人(主催者発表)が拍手で応えた。移設阻止や普天間飛行場の閉鎖と撤去に向けたアピール文を採択し、ガンバロー三唱で気勢を上げた。