格言・水墨画 短冊に 小川さん91歳、含蓄ある30点余


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人つくり支援チャリティー展示即売会に、水墨画や格言を描いた短冊を出展する小川信さん=18日、サンエー西原シティ

 【西原】NPO法人西原町人つくり支援の会が主催する「第17回人つくり支援チャリティー展示即売会」が20日まで、サンエー西原シティ内で開かれている。陶芸や絵画、手工芸品の数々が並ぶ中、訪れる人の目をひときわ楽しませているのが大正生まれの小川信(のぶ)さん(91)=西原町我謝=の書と水墨画の短冊作品だ。出展最高齢を感じさせない筆の運びと、人の道を教え導く味わい深い文言。小川さんは「毎日必ず何かを書いている。健康なのは自分に厳しくしているから」と語る。

 小川さんは教員を退職後に町内で書道教室を営み、90歳をすぎた現在も自宅に訪れる教え子たちに指導する現役だ。書道だけでなく水墨画も習得し、毎朝夜明け前に起床して筆を握っている。
 普段は掛け軸用の大きな紙に書いているが、今回のチャリティーに合わせて短冊用の小品に初挑戦した。
 格言や水墨画をしたためた短冊30点余を会場に展示するほか、スペースに飾りきれないほど多くの作品が出来上がったという。
 「短冊だと床に広げなくても、暇な時にいつでも机に向かって書ける。こんなにもたくさん作ってしまうとは思わなかった」と笑う。
 水墨画は花鳥風月の彩りが目を引く。「肝のもてなしや竹のごと直く 義理の節々や中にこめて」といった琉歌の古典や格言をしたためた書は、小川さんの筆によって含蓄を増す。
 小川さんのモットーでもあるのが「春風もって人に接し 秋霜もって自らつつしむ」の言葉。「人には優しく、自分には厳しく。毎朝筆を握り、日が昇ったら散歩に出掛ける。時間を守って毎日を暮らすことが大事だよ」と生涯現役の秘けつを語った。