「交通安全おじさん」免許返納 82歳、事故防止へ決意


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「事故を起こしてからでは遅い」と82歳を機に運転免許証を返納した屋我嗣朝さん=与那原町与原の自宅

 【与那原】交通安全推進員を20年間務め、子どもたちから「交通安全おじさん」と親しまれてきた屋我嗣朝さん=与那原町与那原=が、82歳になったのを機に運転免許証を返納した。高齢者ドライバーによる交通事故が多発する中、事故防止の一助になればとの思いから決意、実行した。

 屋我さんが運転免許証を取得したのは65年前。中部にある電力会社を定年退職するまで車で通勤した。車社会の沖縄で交通事故も年々増加。せめて住居近くの国道329号で交通事故をなくそうと、出勤前に街頭に立って登下校時の児童を見守り続けた。足腰の衰えを感じ、やむなく2年前に交通安全推進員を引退した。この間、九州管区交通安全協会長や全日本交通安全栄誉緑十字章などを受章している。
 高齢者の事故が増加する中、「このままではいけない」と免許の返納を決意した屋我さん。「事故が起きてからでは遅い。用事や買い物はタクシーを利用した方が安上がり。交通事故は一瞬の出来事で一生悔やみ、家族にも苦痛を与える」と話し、運転免許証高齢者返納制度の推進を呼び掛けている。
(知花幸栄通信員)