辺野古岩礁破砕、名護漁協に同意依頼 防衛局、期限設けず


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 【名護・宜野座】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て手続きで、沖縄防衛局が辺野古漁港周辺を埋め立てる岩礁破砕許可を県から得るため、名護漁業協同組合に同意書の提出を求めていたことが分かった。

宜野座村漁業協同組合には意見書の提出を求めた。いずれも15日付で依頼したが、回答期限は設けていない。
 防衛局は11日に、名護市にも同許可にかかる意見書提出を求めているが、市に対しては回答期限を5月12日と設定。市は「市だけに期限を設けるのは恣意(しい)的で差別だ。早く移設を進めたいからだろう」と批判している。
 岩礁破砕許可申請は県漁業調整規則に基づく手続き。海を埋めたり土砂を採取したりする事業者は、作業海域に漁業権を持つ漁協や隣接漁協などに同意や意見を求める必要がある。
 移設に反対する名護市は、通常の申請を精査する標準処理期間を超えるような重大事案にもかかわらず一方的に回答期限を決めているとして、防衛局に法的根拠の説明を求めている。
 名護漁協の古波蔵広組合長は「役員会を開き、岩礁破砕も同意する方向で調整する」と述べた。宜野座漁協の城間盛春組合長は5月中にも再度理事会を開き、検討する考えを示した。
 沖縄防衛局は市だけに回答期限を設けた理由について、取材に対し23日時点で回答していない。