紛争予防へラジオ局 FMよみたん、東ティモール支援


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FMよみたんで研修したOPAC現地職員の樋口洋平さん(左から2人目)と仲宗根朝治社長(右端)=読谷村のFMよみたん

 【読谷】読谷村のコミュニティー放送局FMよみたん(仲宗根朝治社長)は、NPO法人沖縄平和センター(OPAC)と協力し、紛争予防を目的に東ティモールにラジオ局をつくる事業を進めている。開局予定は9月。

仲宗根社長が現地を訪れるなど準備を進めており、「地域に必要とされる放送局になってほしい」と願いを込める。
 JICAの草の根事業として読谷村とOPACが2010年に始めた平和プロジェクトの一環。OPACによると、沖縄のラジオ局が他国のラジオ局設立を支援するのは初めて。
 東ティモールは長く続いた独立闘争を経て2002年に独立した新しい国。治安は安定してきたが、高い失業率と貧困が問題化、局設立は雇用創出と、住民間のコミュニケーションを密にすることで紛争を予防する目的がある。コモロ村の若者15人と共に立ち上げ作業を進め、開局後は現地に委譲する予定だ。
 仲宗根社長が2度現地を訪れた他、3月にはOPACの現地職員・樋口洋介さん(27)が研修に訪れ、収益を上げる仕組みや継続的な運営方法を学んだ。樋口さんは「FMよみたんは140人のボランティアパーソナリティーがいるのが“財産”。FMよみたんを手本に住民交流センターのような拠点を目指したい」と語る。
 仲宗根社長は「行政情報を発信するとともに住民間で情報共有することで信頼関係が築ける。国際貢献に協力できてうれしい」と語った。
英文へ→Okinawan radio station to support peace-keeping in East Timor