辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討


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 【東京】政府が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、来年7月に予定していた代替施設本体の埋め立てに向けた工事を今年秋に前倒しする方向で検討していることが分かった。11月にも実施される県知事選の前に着工する可能性もある。政府関係者が10日明らかにした。

 一方、県内では辺野古移設に対する反対意見が根強いだけに、建設に着手すれば抗議運動が激化するのは必至だ。政府内には知事選への影響を懸念する意見も出そうだ。
 日米両政府が昨年4月に合意した「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」によると、ボーリング調査や詳細な設計に1年かかるとされていた。ただ、安倍晋三首相が「強い意志を持って早期、着実に進める」と強調しており、前倒しに向け検討に入った。
 政府は早期着工をPRすることで、仲井真弘多知事が求める「普天間飛行場の5年以内の運用停止」の実現を目指す姿勢を前面に打ち出す狙いがある。
 本体工事への着手は来年に入ってからとみられていたが、政府筋は取材に「代替施設に向けた工事に年内に入りたい。着手が知事選の前か後かは、事前調査などの結果次第だ」と語った。
 政府は既に辺野古陸上部の設計業務などを発注。海底の地質を調べるためのボーリング調査へ向け、受注業者を募る入札の公告も済ませており、今夏に調査を開始する予定。
 調査地点は21カ所だが、複数カ所を同時に調査するなどして当初予定より期間を短縮させ、本体工事の前倒しを実現させたい考えだ。代替施設の基本設計も可能な限り短期間で終える方針だ。11月にも実施される県知事選は、普天間移設問題が最大の争点となる見通しだ。
英文へ→http://english.ryukyushimpo.jp/2014/05/15/14003/