防衛局、名護と協議中止示唆 辺野古許可申請6項目


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沖縄防衛局が求めた6項目(クリックで募金)

 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設のための埋め立て工事に向け、資材置き場に使うための辺野古漁港の使用許可など名護市に申請した6項目について、防衛局側が市の回答期限として任意に設定した12日を迎えた。

市は「申請の形式を満たしていない」として、許可や協議事項などの申請4件について補正を求めているが、防衛局は「法令に従い適正に対応している」として協議を打ち切る方針を示唆。名護市の権限が及ばない県への岩礁破砕許可申請手続きなどを先行して進める構えだ。
 名護市に対する申請項目の一つとして防衛局は、埋め立て工事に向けた県への岩礁破砕申請に関する市長の意見照会を要求。
 市側は「必要書類が添付されていない」として意見照会手続きのやり直しを求めたが、防衛局側は拒否した。
 その上で防衛局は、法的根拠はないとする回答期限の12日は変更しない考えを表明。市から同日までに回答がない場合、速やかに県への岩礁破砕申請に移行する方針だが、名護市は岩礁破砕の意見照会については9日付で「後日提出する」との文書を防衛局に送付している。
 岩礁破砕の許可取得手続きなどと併せて防衛局は、移設工事に向けた辺野古沿岸の海底地質ボーリング調査に係る開札を13日に行う。5月下旬に受注業者を選定、6月以降にボーリング調査を始める見通しだ。
 県の「岩礁破砕等の許可に関する取り扱い方針」では、ボーリングなどを挙げて「影響が軽微であると認められる行為は原則として許可を要しない」としており、ボーリング調査に関しては岩礁破砕許可は必要ないと判断する可能性もある。
 岩礁破砕の許可申請を要するのは(1)埋め立てやしゅんせつ(2)護岸・防波堤の設置(3)海砂利の採取-などで、埋め立ての本体工事に関わる部分では県の許可が不可欠とみられる。
 一方、名護市への申請について防衛局は「市への協議書などについては法令に従い適正に提出している。5月12日までに回答がない場合は協議が整わなかったものとして処理することになる」と話している。