本格的な日舞で魅了 若柳美之介会主65周年公演


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長唄「外記猿」を踊る若柳美之介=4月20日、浦添市の国立劇場おきなわ

 日舞の若美会会主・若柳美之介(わかやぎみのすけ)の芸歴65周年記念発表会が4月20日、国立劇場おきなわであった。美之介と弟子たちが16演目を披露。東京から後見を呼び、衣装を持ち込むなど、沖縄では機会の少ない本格的な日舞の舞台を見せた。

 美之介は5歳で琉舞を始め、乙姫劇団の初代子役も務めた。日舞は大島劇団の立花馨座長に習い、7歳から本格的に若柳喜美栄(きみえ)に師事。東京では花柳徳助、若柳吉元美(きちもとみ)に師事した。
 記念公演は、美之介が祝儀舞の長唄「外記猿」を踊り幕開け。美之介が得意とする男踊で、猿引きを題材としている。猿のむちや扇、御幣を持ち替え、手踊りを交えながら軽快な曲に乗せて踊った。
 長唄「近江のお兼」は、若美文月演じるお兼が、後見演じる荒くれ漁師を相手に立ち回る。後見が宙返りしたり、文月が両手に持ったさらしを振ったりと、見どころが多かった。
 最後は、美之介と孫の中田匠による大和楽「団十郎娘」。芝居小屋に入り浸る大店(おおだな)の娘を、でっちが連れ戻しに行く楽しい踊りで締めくくった。