沖縄三越、9月に閉店 リウボウ継承で調整


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9月末で閉店する沖縄三越=14日、那覇市国際通り

 1957年創業の県内老舗百貨店、沖縄三越(那覇市、杉山潤治社長)が9月末で閉店し、約57年の「三越」の歴史に幕を下ろす。那覇市国際通りの百貨店は、デパートリウボウ(那覇市)が建物を利用し別形態の商業施設として引き継ぐ方向で最終調整している。

沖縄三越は2004年にも多額の借入金により経営が悪化。金融機関主導で新生沖縄三越として事業再生を進めてきた。だが債務返済のめどが立たず、本体の三越(現三越伊勢丹ホールディングス)との商標使用契約が14年9月末で終了することもあり、事業継続を断念した。
 沖縄三越が運営する(1)那覇空港の空港売店(2)豊崎マイキッチン(豊見城市)(3)ホテルJALシティ那覇(那覇市)のJALコーチ事業―の3事業もリウボウが10月1日から運営する。
 国際通りの百貨店はいったん閉鎖した後、現在の建物を活用して百貨店事業とは異なる形態の商業施設を計画している。娯楽性を持たせて観光客も地元客も楽しめる施設となる見込み。国際通りの新たな活性化もにらむ。
 沖縄三越は04年の再出発後、しばらくは利子返済を続けたが、利益がマイナスとなり数年間は返済棚上げの時期もあった。11年5月に杉山社長が就任して以降、新採用を控えて人件費を削減するなどコスト面の見直しを進め、11年下期から黒字に転換。13年2月期の売上高は前期比0・8%減の約76億円だった。
 「三越」の看板は2004年以降、三越伊勢丹から14年9月までの10年間の期限付きで商標貸与を受けていた。