大浦湾にジュゴン食跡 埋め立て予定海域


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藻場の中央に残る白い線が確認されたジュゴンの食み跡=16日、名護市の大浦湾(北限のジュゴン調査チーム・ザン提供)

 【名護】国が米軍普天間飛行場の移設計画を進めている名護市辺野古の埋め立て予定地内の海域で、絶滅危惧種ジュゴンの最近のものと思われる食(は)み跡が発見された。北限のジュゴン調査チーム・ザンの調査で16日に確認された。

 食み跡が見つかったのは辺野古崎の大浦湾側沖合で、移設計画で滑走路の建設予定地から近い。水深約2メートルで10本以上の食み跡を確認できた。防衛省はこれまで、ジュゴンが予定地北の嘉陽地先で海草を食べているとして「工事の影響は小さい」としていたが、今回の調査で建設予定地付近での生息があらためて裏付けられた。ジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局次長は「ジュゴンが複数の藻場から辺野古を選んでいる。今後ブイが設置されて立ち入り禁止になると、継続調査ができなくなるかもしれない」と懸念した。
 現在訪米中の稲嶺進名護市長らが今回の調査結果を要請先で報告する予定。