「オキナワンロック」誕生50年 県協会が初の記念史


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【沖縄】県ロック協会(宮永英一会長)はこのほど、1963年に沖縄で本格的なロックバンド「ウィスパーズ」が結成されてから50年がたったことを記念して、協会初の年史「オキナワンロック50周年記念史」を発刊した。

コンディショングリーンや紫、マリーwithメデューサなど沖縄のロック界をけん引してきたバンドの誕生秘話や、メンバーの手記、回顧録などが収録されている。宮永会長は「オキナワンロックの集大成で、戦後沖縄の歴史や人間模様が描かれた年史になった」と完成を喜んでいる。
 記念史は1部約300ページで、「ロックの日」の6月9日から、県内の各レコード店で販売を開始。価格は4千円前後を想定している。県内各地の学校や図書館のほか、県内で活躍するミュージシャンを多数輩出した奄美諸島の関連施設にも贈呈する。事業費は沖縄市の一括交付金や協賛金など約500万円。3千冊程度作る予定だ。
 年史の巻頭は「写真で見るオキナワンロックの歴史」と題し、60年~2000年代に活躍したバンドや関係者の活動を写真で紹介。ミュージシャンの回顧録は本場ロックを知る米兵らがビール瓶や灰皿を投げつける中、演奏し続けた生々しい活動の記憶が語られた。
 バンドの活動年表も掲載、沖縄の歴史や世界で活躍したバンドと比較できる年表にまとめた。バンドが活躍した沖縄市や金武町内の米兵通りにあったAサインバーの場所を示す地図も付けた。
 宮永会長らは15日、沖縄市役所に桑江朝千夫市長を訪ねて、記念史200部を贈呈した。桑江市長は「オキナワンロックは日本中を震撼(しんかん)させて影響を与えた。市の貴重な財産としてその歴史を伝えたい」と話した。

オキナワンロック50周年記念史
桑江朝千夫沖縄市長(前列中央の左側)に記念史を贈呈する県ロック協会の関係者や執筆者ら=15日、沖縄市役所