移設強行は人権否定 名護市長、NYの市民集会で訴え


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17日、米ニューヨークでの集会で、新聞を掲げて米軍普天間飛行場の移設問題を語る沖縄県名護市の稲嶺進市長(共同)

 【ニューヨーク=島袋良太】米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるため訪米している稲嶺進名護市長は17日、ニューヨーク市内での市民集会に出席した。

稲嶺市長は、1952年に発効したサンフランシスコ講和条約で沖縄は日本から切り離され、米軍基地が集中した経緯などを説明。名護市民や県民の多くの反対を無視する形で移設を強行すれば「人権や民主主義の否定だ」と訴えた。
 稲嶺市長は、新たな基地建設が予定される辺野古沿岸部周辺は生物多様性に富む海域であることなども説明。基地負担の公平性や環境保全の観点からも移設には問題があると訴えた。
 参加したスーザン・ミヤギ・ハマカーさん(45)は母親が沖縄出身で父親は元米兵。「複雑な心境だが、米政府が『沖縄は自分たちのものだ』と言っているように感じた」と感想を述べ、「問題が詳しく分かった。自分が運営している日本情報の発信サイトでも取り上げ、支援したい」と話した。
 稲嶺市長はこの日、世界貿易センタービル跡地も訪れ、2001年の米中枢同時テロ犠牲者に哀悼の念を示した。19日からは首都ワシントンを訪れ、米政府当局者や議員、安全保障専門家などと会談し、移設中止を求める。