沖縄三越、9月21日閉店 リウボウ継承へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
閉鎖に至った背景などを説明する沖縄三越の杉山潤治社長(中央)と外間寛専務(右)、赤嶺聡取締役副店長=19日、那覇市の同社本店

 1957年創業の県内老舗百貨店、沖縄三越(那覇市)の杉山潤治社長ら経営陣が19日、国際通りの本店で会見し、百貨店を9月21日で閉店し、同月末で全事業を終了すると正式発表した。

事業はリウボウグループが引き継ぐ方向で調整している。沖縄三越は2003年の私的整理を経て、04年から10年間の企業再生計画に取り組んだが、業績は回復せず「三越」としての事業再生を断念した。
 140人の本店従業員(非正規含む)はリウボウグループが一部受け入れる方針のほか、社内に再就職支援室を設置し県内外企業への就職を支援する。
 沖縄三越の百貨店本館は来春以降、リウボウグループが観光商業施設として運営する。1~3階部分を活用し、2階はエンターテインメントを提供するホール空間とする計画。1階は独自の土産品をそろえる物産店舗とし、空港店での受け取りなど相乗効果を図る。
 従業員の雇用については、本体の三越伊勢丹グループからも受け入れの申し入れがある。那覇空港売店、食品館の豊崎マイキッチン(豊見城市)、JALコーチショップ(那覇市)の本店以外の3事業もリウボウグループが引き継ぎ、30人(非正規含む)全員を継続雇用する。
 沖縄三越は04年、企業再生に向けた「新沖縄三越経営10カ年計画」を策定し、県内41社を含む42の株主から7億円の出資を受けた。しかし14年2月期の売上高は、過去10年間のピークだった08年2月期と比べ15・9%減の76億6千万円に落ち込んでいた。
 同社は19日午前に開いた取締役会で、取締役5人全員の賛成で事業終了を可決。従業員への説明は19日に実施したが、20日以降も開く。
 会見には外間寛専務と赤嶺聡取締役副店長兼営業統括部長も同席した。杉山社長は「業態間や地域間競争、景気の変化などにスピーディーに対応できなかった」と語った。