稲嶺名護市長、辺野古反対を米に伝達


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米国務省を訪ね、辺野古移設への反対をあらあためて説明した稲嶺進名護市長=19日、米ワシントン市内

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】稲嶺進名護市長は19日、米国務省でピーター・ヘムシュ日本部副部長と会談し、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設に反対する意向を直接伝えた。

ヘムシュ氏は「国と国の間で決めたことであり、われわれの仕事はこれを前に進めることだ。長い時間をかけてロードマップを作り、そこ(現行計画)にたどり着いた」と述べ、辺野古移設を進める考えを伝えた。稲嶺市長は同日、安全保障の専門家らとも相次いで会談した。
 稲嶺市長はヘムシュ氏との会談で「県が辺野古埋め立てを承認した事実はあるが、世論調査では承認後も県民の74%が辺野古移設に反対し、私も1月の市長選で再選した。移設が円滑に進むとは思わない」と強調した。
 辺野古移設を疑問視する論文などを発表していた新米国安全保障センターのパトリック・クローニン上級顧問は稲嶺市長との会談で、知事承認や日中間の領土問題などを挙げ、辺野古移設を支持する考えを伝えた。
 会談後、クローニン氏は記者団に「再選された市長の意見は尊重するが、日米政府は何年も沖縄の人と協議してきた。そして昨年、知事から再び決断がなされた」と辺野古移設支持に転じた理由を述べた。
 稲嶺市長は米上院軍事委員会で12年に辺野古移設見直しの動きを主導したジム・ウェッブ元上院議員とも会談した。ウェッブ氏は「今も辺野古移設は難しいと思っている」とした上で「リタイアしたので直接的な働き掛けは難しいが、個人としてできることは協力したい」と答えた。
 市長はこの日、保守系シンクタンク・ケイトー研究所で講演。進行役のダグ・バンドー同研究所上級研究員は「私の解決策はシンプルに海兵隊を本国に戻すことだ。米国は財政問題を抱え、今後10年、20年と海外に基地を置き続ける余裕はない」と話した。
英文へ→Nago Mayor conveys his opposition to Henoko relocation to U.S. government