八重山教科書問題で竹富の単独採択決定


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 八重山教科書採択地区内で使用する公民教科書を統一できていない八重山教科書問題に関し、県教育委員会(宮城奈々委員長)は21日の定例会で、東京書籍版を独自に採択・使用している竹富町教育委員会を八重山採択地区から分離し、単独採択地区とすることを決定した。

竹富町教委が単独採択地区となることで、国が指摘する「違法状態」は解消する見通し。
 文科省は違法確認訴訟を視野に入れていたが「訴えの利益がなくなる」として提訴を見送る公算が大きい。新採択地区は30日にも適用される。県教委は竹富町の教科書採択に先立つ調査研究を支援するため、八重山教育事務所に担当者を一定期間派遣する。諸見里明県教育長は22日に文科省を訪れ、分離を決めた経緯を説明する考えだ。
 宮城委員長は単独採択を認めた理由を、多くの島々で構成する竹富町の「多様性に十分配慮する必要がある」と説明。尖閣諸島を持つ石垣市や、台湾に近い与那国町とは「地理的条件が異なる」と指摘した。
 県教委は竹富町教委のほか、伊平屋村と伊是名村は島尻採択地区から国頭地区へ、恩納村は国頭地区から中頭地区へ、南大東村、北大東村、久米島町の3町村は島尻地区から那覇地区へ採択地区を変更することも決定した。