ジュゴン保護勧告を 名護市長、米海洋哺乳類委に要望


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】訪米中の稲嶺進名護市長は20日、県内の環境NGOと共に米ワシントン近郊の米国海洋哺乳類委員会(MMC)を訪ね、米軍普天間飛行場の辺野古移設は絶滅危惧種ジュゴンの生息環境に打撃を与えると訴えた。

米連邦地裁で係争中のジュゴン訴訟で国防総省に命じられたジュゴンへの影響分析が出るまで、作業を進めないように勧告するよう要望した。
 MMCを訪ねた沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹氏は「周辺に生息するジュゴン数が明らかにされていない」と述べ、防衛省の環境影響評価(アセスメント)は不十分だと強調。国防総省による影響評価が日本のアセスを引用する可能性を指摘し、より精密な評価を国防総省に求めることを提言した。
 ジュゴン保護基金の東恩納琢磨氏(名護市議)は、移設予定地で餌場が確認されたことを挙げ、「ジュゴンが餌場に近づけなくなる。これもアセスに記載されていない」と指摘した。
 MMCのマイケル・ガズリン法務顧問は「非常に有益な情報だ」と述べ、国防総省の影響評価に関する検討の参考にする意向を示した。