普天間移設、シュワブに作業場 防衛省が検討


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作業場候補地 地図

 【東京】防衛省が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画をめぐり、移設予定地に近い辺野古漁港を使用する予定だった資材置き場などの作業ヤードの設置場所を変更し、キャンプ・シュワブ内など代わりの複数の候補地を検討していることが分かった。防衛省関係者によると、米軍提供施設内を使用する場合は日米合同委員会の協議事項とはならず、米軍施設司令官の許可で使用することが可能とみられる。

 作業ヤードの設置に向けては沖縄防衛局が4月に辺野古漁港の占有許可申請を名護市に提出したが、市は使用開始と終了の時期が明示されていないことなどの不備を指摘し、補正を求めている。
 防衛省は名護市の対応を受け、稲嶺進市長が移設そのものに反対していることも踏まえ、辺野古漁港の使用は許可されない可能性が高いとみて、代わりの案の検討を開始した。
 複数の関係者によると、代替案として複数の米軍専用施設などへの作業ヤード設置を検討しているが、移設先であるキャンプ・シュワブ内が有力だ。
 米軍基地内での作業場設置は、共同訓練などで自衛隊が米軍基地を利用する「共同使用」には当たらず、合同委の協議事項にならないという。
 米軍基地での作業場設置は施設の司令官が許可し、沖縄防衛局と文書を交わせば可能になるとみられる。既存施設の解体などが必要となり、米側がその移転を求めた場合などは合同委の協議事項となる。
 ただ、防衛省内には移設作業を急ぐためにも辺野古漁港への作業ヤード設置が望ましいとの声も強く、法的手段を含めて名護市に使用を強く求めるべきだとする意見もある。
 小野寺防衛相は23日の記者会見で作業ヤード場所の変更に関して「(名護市の)不許可を前提とした工事計画の変更を検討しているという事実はまだない」と否定した。