米軍機また部品落下 嘉手納ヘリ、通報翌日


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 米空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリコプターの電波高度計測アンテナのカバー(重さ約10~12グラム)が、21日午後に落下していたことが分かった。沖縄防衛局によると、カバーとアンテナの間の接着剤が劣化したことによる水分の浸入か腐食が原因とみられるという。落下による被害は確認されていない。

 防衛局によると、同日午後3時半ごろ、海上を飛行していた際、落下した可能性が高い。
 パラシュート降下訓練中の落下を含め、米軍機からの落下事故がことしに入って7件と相次いでいるほか、連絡が遅れた事例もあることから、県基地対策課は「迅速で詳細な通報と再発防止を徹底してほしい」と防衛局を通し嘉手納基地に抗議した。
 日米両政府は1997年に米軍機からの落下物の事故は基地内外を問わず、県や関係自治体に迅速に通報することに合意しているが、同基地が防衛局に通報したのは、落下から丸1日経過した22日午後だった。
 防衛局によると、落下したカバーは薄いグラスファイバー製で直径14・6センチ。訓練後の整備点検中に高度計測システムの不具合を検査していたところ、紛失を確認した。
 又吉進知事公室長は「航空機から何度も物が落下してくること自体、考えられない」と強調。在日米軍を監視する市民団体「リムピース」の頼和太郎さんは、「機体の老朽化に加え、訓練回数の増加で整備士のチェック体制が甘くなっていないか」と指摘した。
 HH60ヘリは2013年8月に宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落、兵士1人が死亡する事故を起こしたほか、同年11月にはカメラ、14年4月には通風孔のカバーを落下させる事故を起こしている。