グアム予算凍結継続 米上院可決、下院とねじれ


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米上院軍事委員会は22日、在沖米海兵隊約4千人のグアム移転事業に関して、過去に計上された予算の執行凍結の継続を盛り込んだ2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防権限法案を可決した。

 一方、米下院は同日の本会議で、グアム移転費の執行凍結を全面解除する条項を盛り込んだ国防権限法の下院案を賛成多数で可決した。法案の一本化に向け、年末に向けて両院が協議する。
 上院軍事委員会のレビン委員長らは記者会見し、国防権限法案に執行凍結の継続条項を盛り込んだと説明した。オバマ政権が15会計年度に要求したグアム移転の新規予算5100万ドル(約52億円)は全額計上を認めたが、グアム移転に関する米側総事業費55億ドルの1%未満にすぎない。
 海兵隊のグアム移転は在日米軍再編計画で沖縄の負担軽減の柱とされたが、米国防総省の計画のずさんさを米議会が指摘。予算の凍結で事業は停滞している。
 国防総省が4月に発表した計画によると、グアム移転に必要な年数は従来は「5年以上」と見積もられていたが、「12年以上」と変更された。
 日米両政府は牧港補給地区の海側142ヘクタールについて在沖海兵隊の国外移転の完了後に返還するとしており、同基地などの返還にも大幅な遅れが出る可能性が高まっている。