台湾では少子化が進み、それに伴い大学院で高学位を取得する学生が増加している。しかし、大学の専任教員の数は限られており、学位は取っても就職先がないという問題が深刻化している。
嘉義県にある呉鳳科学技術大学では、教員3千人のうち、専任は150人。花蓮県にある大漢技術学院では教員2千人のうち、専任はわずか78人で、教育のほとんどを、1年契約の非常勤講師に依存しているのが実態だ。
非常勤でも希望者が多いため競争率は高く、遠く離れた数カ所の大学を電車やタクシーを乗り継いで、掛け持ちをする教員も少なくない。
長期休暇中は給与が支払われないため、平均収入は月3万9千元(日本円で約13万円)。何ら保障もなく、契約更新がなければ即失業。不安定な生活を余儀なくされている。