辺野古移設工事 漁業制限水域を2キロ沖まで拡大


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辺野古沖の漁業制限区域

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、政府が進めている移設予定地周辺での漁業制限水域の拡大の概要が分かった。制限水域は漁船操業制限法に基づいており、現在は常時操業を禁止する第1種区域は沿岸から50メートル沖までだが、沿岸から最大約2キロまでと大幅に拡大する。

7月に予定する海底ボーリング調査開始に向け、立ち入り制限区域を広げることで移設に反対する住民らの調査現場への進入を防ぐ狙いがあるとみられる。
 政府は操業禁止区域の拡充と併せて、在沖米軍基地の提供・使用条件などを定めた日米間の合意文書「5・15メモ」に基づく米軍キャンプ・シュワブ提供水域についても、同様の範囲に拡大する方向で米側と調整している。
 漁船操業制限法に基づく第1種区域では漁船は航行が制限されるが、過去に抗議活動に使われたカヌーは対象外で、政府は漁船以外にも対象を広げるかどうか今後検討する。
 シュワブ沖では同法に基づき第1種~第4種の区域が設定され、区域ごとに(1)常時操業禁止(第1)(2)網を使った漁業の禁止(第2)(3)演習期間中の操業禁止(第3・4)―などが定められている。県は、第1区域の拡大について防衛省から農林水産省を通じて意見を求められ、名護市と名護漁協などの見解を聞くための文書を27日に送った。
 今回の区域拡大で、第1種区域は現在の第2種区域よりも広がる。第2種区域では現在、米軍の行動を妨げる漁以外は原則的に認められているが、変更で常時操業禁止区域内に組み込まれることになる。
 一方、政府は5・15メモに基づくシュワブ提供水域(第1~第5水域)について、普天間の代替基地建設に伴う変更を米側と協議しているが、操業制限区域の拡大に併せて提供水域も大幅に拡大する方針。近く日米合同委員会で合意する見通しだが、「協議の詳細は明らかにできない」としている。
英文へ→Government to expand restricted area for fishing two kilometers off the coast of Henoko