辺野古工事に最大500億 14年度予備費拠出へ


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 政府は、沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事に向け、埋め立て海域のキャンプ・シュワブ沿岸に設置を予定しているブイや、シュワブ内にある海上保安庁拠点の機能強化に係る経費などに充てるため、2014年度予算の予備費から最大500億円程度を拠出することを6月中に閣議決定する方針を固めた。

埋め立て用の巨大工作物ケーソン(箱形のコンクリート施設)や汚濁防止膜などの関連費にも充てる。
 沖縄防衛局は、埋め立ての本体工事を前に海底の地質を調べるボーリング調査を7月上旬にも開始したい考えで、その前に調査区域周辺へのブイ設置を急ぐ構えだ。移設に反対する住民らの抗議活動を排除する狙いがあるとみられる。
 ブイ設置などの経費は、14年度予算に計上していなかった。そのほか工事契約に必要な経費を含め300~500億円程度を予備費などで対応する。閣議決定は今国会閉幕後の24日ごろを想定。防衛省から予備費の使用調書提出を受け、麻生太郎財務相が閣議に提出する見通し。
 ブイは、辺野古沖の21カ所で行う予定のボーリング調査区域を取り囲む形で設置する。調査海域は米軍の提供水域で、移設に反対する住民らが漁船などで阻止行動を展開しようとした場合、ブイを越えた時点で刑事特別法(刑特法)を適用して、取り締まることができるようにする。
 2008年から使用しているシュワブ内の海保施設の機能強化にも予備費を活用する。海上保安官の待機場所やゴムボートの収容や整備などを行う施設を充実させる。
 そのほか埋め立ての護岸工事に必要となるケーソンなどの巨大工作物や、埋め立て工事で汚泥が周辺の水域に流出するのを防ぐ汚濁防止膜の設置に関する経費なども予備費で対応する。